おわりの音が響いた
「人の味方であるのを忘れたか」
「僕は人も鬼も嫌いだ」
「一応お前は人の味方、私は鬼の王という立場を忘れるな。人の反感を買う行動はするな」
「この混乱でそんな冷静でいれるわけないだろ」
「節度をもって殺せ」
「行儀よく殺せってこと?見本見せてよ兄上」
「自分で考えろ」
立ち上がったコトワリの背中を見つめ、サダメは言った。
「僕らは永遠じゃない、いずれ死ぬ。万が一にもこの戦いで命を落とすかも知れない。だから言っておく。兄上…いや、コトワリ。僕は女だ。セツナが欲しい。コトワリになんか渡さない」
振り返ったコトワリは小さくほほ笑んだ。