おわりの音が響いた
「で、話は戻るけどね。そこの坊ちゃん声がでけぇよ。貴族様ならわかるだろ。純血は耳がいい。滅多なこと言ってると誰が聞いてるかわかったもんじゃない」
逃げ出すという選択肢はセツナにはない。
それは足首についた鈴が物語っていた。
「俺みたいな平民は耳も目も人並みだけどねー」
「坊ちゃんって呼ぶな!お前みたいなやつがなんで騎士なんだ」
「それがねー。高待遇って聞いてねー、飛びついちゃったわけだよねー」
クレノの肩を抱き慣れ合うトギ。
クレノはそんなトギを突き飛ばす。
「それにしても俺たちのお姫様が美人でよかったよかった。こっからの旅も楽しくいきそうだなー」
「姫と呼ぶな!セツナ様に近づくな!この害虫が!」
「あんたのモノじゃないだろー。はいはい、妬かない妬かない」
「妬いてない!これだから無礼者は嫌なんだ」
「あ、今平民のこと差別した。これだから坊ちゃんは嫌なんだよなー潔癖でよー。その辺のキノコとか食べたことないだろ?ちょっと食べてみ?世界変わるから」
「食べるわけないだろ!お前なんか毒キノコにでも当たって消え去れ!」
「はいはいー、毒キノコと普通のキノコの違いが分かってから言おうね坊ちゃまー」
「坊ちゃまって言うな!」