おわりの音が響いた
「あ、そういえばもう一人来てるんだった。おじょーちゃんでっておいでー」
能天気な声で呼んだトギに、一人の少女がどこからか現れた。
「テンとっ、申します。主君様」
両の瞼を閉じた少女が頭を垂れた。
「子供、それも女?!いくらなんでも」
見たところ目も見えていないようであり、クレノはセツナを見た。
「…お前様、頭を垂れる前に聞きたい。それはお前様の意思であるのかと」
「っえ?」
顔を上げたテンは困惑気味に胸の前で手を合わせた。
「テンは行く宛がありません。だから…主君様」
行く宛がなく目も見えず、初見の相手に戸惑うことなく傅けることと言い良い生まれとも言えない少女が、最後の望みとして現れたのは間違いなかった。
ただ、そんなモノの役目など知れている。
死ぬ定めでしかない使い捨てに出番などないとクレノは口を開こうとした。
「お前様はわたくしに何を与える?」
「…恒久なる生を。我が主君様お誓い申します」
「尽力期待している」
「ちょ、セツナ様!」