『短編』恋する街角
『あの二人、素敵。』
道路側を歩く彼女をさりげなく歩道側に寄せた彼氏。
そんなカップルを見たのは、クラスメイトの由香里と街を歩いていた日曜日。
高校2年生にもなって、まだ彼氏なんて生まれてこのかた、居たことも無いわたし。
わたしは誰よりも恋に恋していた。
わたしは、そのカップルを目で追う。
信号待ちの途中、彼氏は彼女の顔を覗き込み何か話をする。
彼女が笑う。
そんな彼女を見て彼氏も嬉しそうに笑っている。
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