『短編』恋する街角
 


『彩、モテるんだから、彼氏なんてすぐに出来るんじゃない?』


アイスクリームを食べながら、由香里が言う。


わたしはチラリと由香里の方を見た。


『野口くんなんてもう、2年近く彩のこと想ってんじゃん?』


由香里は隣のクラスの男の子の名前を口にする。


『野口くん…わたし、よく知らないもん。』


『知るのなんて付き合ってからでも遅く無いじゃん。』


『だって、付き合ってから「やっぱり違う」ってなったら悪いもん。』


『またそんなこと言って…。』


由香里は溜め息をついた。

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