『短編』恋する街角
『「運命」なんて…自分から動かないと何も変わらないよ?』
『…その時が来たらきっと、自然に体が動くんじゃないかなぁ。』
わたしは由香里に返事をして、また、この街並を見回す。
このショッピングモールは有名なデートスポットで、毎日たくさんのカップルで賑わっている。
ふと、街角のジュエリーショップに目をやる。
寄り添うようにジュエリーを眺めているカップルがいた。
わたしは幸せのおすそ分けを貰ったような、満たされた気持ちになった。
わたしもいつか…
ああやって「指輪」を選ぶんだ。
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