もう遅すぎた恋
もう遅すぎた恋
いつかの記憶
ー…私は船に乗っていた。
まわりには、私と同じくらいの学年の子供たち。
そして、急に傾き沈み始める船。
悲鳴と、泣き声。
船内に響きわたるアナウンス。
救命ボートで逃げる人々。
私も逃げようとしたけど、間に合わなかった。
船は海に沈んでしまったのだ。
ー…物心付いた時から、私は体験したことのないはずのそんな記憶を持っていた。