もう遅すぎた恋
もう遅すぎた恋

いつかの記憶



 ー…私は船に乗っていた。


 まわりには、私と同じくらいの学年の子供たち。
 そして、急に傾き沈み始める船。
 悲鳴と、泣き声。
 船内に響きわたるアナウンス。
 救命ボートで逃げる人々。
 私も逃げようとしたけど、間に合わなかった。

 船は海に沈んでしまったのだ。



ー…物心付いた時から、私は体験したことのないはずのそんな記憶を持っていた。
< 1 / 17 >

この作品をシェア

pagetop