もう遅すぎた恋

封印していた想い 古賀真司side

　彼女は、俺が差し出していた手を掴んで、立ちあがった。
　俺よりも小さくて細い手のひらは、強く握ると折れてしまいそうだ。


『やっと俺の手をとってくれた』


　…そう強く思うのは、何故だろう。
　彼女はそんな俺の手のひらを見て、少しだけ寂しそうに笑った。


　その瞬間、俺は理解した。やっぱりこの子は、アイツだって。