もう遅すぎた恋

見覚えある君 古賀真司side



「古賀せんせーっ!おはようございますっ!」



 今日も元気に、生徒たちが俺に挨拶して走っていく。

「おう、おはよう!」

 俺も挨拶を返して微笑む。
 この中学校に赴任して1週間。
 30歳の俺以外には学校に飛び抜けて若い先生がいないからか、もう俺はこの学校に慣れ始めていた。
 最初はやっていけるか少し不安だったが、これなら大丈夫そうだ。

 …中学生かー。
 俺は中学生と聞くと、あの中3の修学旅行での出来事を思い出す。
 救えなかった、アイツのこと。
 俺は軽く頬を叩いた。
 あぁ、俺、何考えてんだ。今は仕事中なのに。
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