もう遅すぎた恋
「…よし」
俺は気合を入れなおして、3年2組の教室へと向かう。
階段を登りきり、3階。
曲がり角を曲がろうとしたその時。
反対側の曲がり角から、スカートを翻しながら生徒が飛び出してきた。
「きゃっ!?」
「うお!?」
俺が持っていた数学の教科書と、計算プリントが飛び散る。
そして二人同時に尻餅をついた。
俺は急いで立ち上がると、目の前に倒れた少女に手を差し出した。
「ごっごめん!大丈夫か!?」
少女は俺を見上げ、澄んだキレイな瞳が俺をとらえた。