それは危険なラブミッション
岬さんの周りにいるであろう、洗練された女性とは遠くかけ離れた女性。
これでは、気を引くどころか、呆れられてマイナス印象確定だ。
「それじゃ困るだろう。こっちへ……」
前回同様、私の腰に手を回してエスコート。
近くのソファへと座らされた。
「ここで少し待ってて」
「えっ、あの、岬さん、」
私の呼びかけに足を止める間もなく、岬さんが壊れた私のパンプスを片手に小走りに去って行く。
一体どこへ……?
修理?
それとも……まさか、この前のように新しい靴を用意するつもりじゃ……。
嫌な予感が胸をかすめる。
目の前を行き交う人がチラチラと横目で私を見ていくものだから、居心地が悪い。
存在感を消すべく身体を小さくしていると、岬さんが「お待たせ」と戻ってきた。
その手には――……
この前と同じセレクトショップの紙袋。