それは危険なラブミッション
「これを履くといい」
嫌な予感は的中したようだ。
岬さんは、紙袋から取り出したパンプスを私に差し出した。
「そういうわけにはいきません。この前だって、」
「それじゃ、どうやって帰るつもり?」
「……」
それを言われると困ってしまう。
「それなら、これはお支払いさせてください」
一度ならず二度までも買ってもらうわけにはいかない。
「いいんだよ、別に」
「岬さんがよくても、私はよくありません」
財布を取り出そうとすると、今度はバッグの中身をフロアにまき散らしてしまった。
「――す、すみませんっ」