それは危険なラブミッション
重ね重ね恥ずかしい。
慌てて拾い始めると、岬さんの手も伸びる。
「だ、大丈夫です」
手を止めてもらおうと制したものの、クスクスと笑いながら岬さんは拾い続けたのだった。
「……なんだか、すみません、本当に」
こんなはずじゃなかったのに。
全部が全部裏目に出る。
とにかく支払いだけでも。
「おいくらですか?」
改めて財布を取り出した。
「本当にいいんだって」
「それじゃ困ります」
「僕がいいって言ってるんだから、莉夏さんは素直に受け取ればいいんだよ」
「……それじゃ、それは返品してください」
「え?」