それは危険なラブミッション
「このまま話を続けてもいいが、」
東城寺ルイが達哉くんと麻緒ちゃんを見やる。
部外者がいることを一応は気づかってくれたらしい。
並んで立つ二人は、不安そうな眼差しで私たちを見ていたのだった。
「……二人とも今日はもう帰っていいわ」
「……大丈夫なんですか?」
揃って心配顔を向ける。
麻緒ちゃんに至っては、両手を胸の前でギュッと組んで、捨てられた仔犬のような眼差しを向けていた。
大丈夫だと自信を持って頷けないのが情けない。
それでも何とか「大丈夫よ」と口ぱくで告げて、二人には帰ってもらった。
すると今度は、店内をぐるりと見渡す東城寺ルイ。
「あの、何か……?」
「ここはゆっくりと腰を落ち着ける椅子というものはなさそうだな」
「――すみません」