それは危険なラブミッション

こうして、岬さんに会うことは叶った。
次は……
夕菜の“略奪の手ほどき”第2弾だ。

とにかく、見つめること。
第1弾同様、相手に好意がバレバレでもいい。
ただ、この時の注意点は、真顔でじっと見るのではなく、目が合ったときにはニッコリ微笑むことだそうだ。
気づかれないように息を小さく吐き、いざ顔を上げる。

――と。
そこで既に私のことを見ていたらしい岬さんとバッチリ目が合ってしまった。

咄嗟のこと過ぎて、微笑むどころじゃない。
思わず目を逸らしてしまった。
不自然極まりない。


「莉夏さん、何か心配ごとでもある?」

「え?」

「いや、何か悩んでるようだったから。僕の勘違いならいいんだけど」


ドキッとした。
私があれこれ頭を悩ませていることを岬さんに気付かれていたようだ。

夕菜にもよく、莉夏は顔に出やすいと言われるけれど、それは本当のことらしい。

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