それは危険なラブミッション

「いえ、悩みといったら、このところ少し太ったことくらいです」


適当に誤魔化すと、岬さんはハハッと笑い飛ばした。


「莉夏さんって楽しい女性だね」

「……そうですか?」

「でも、それだけじゃない。抜けたところがあると思ったら、芯の通ったところもあって、その上正直だ」

「……誉めすぎです」


そんな風に分析されるのは初めてだから、なんだかむず痒い。


「いや、これは僕の率直な意見だよ」


テーブルの上で手を組んで、優しく微笑む。
モナリザの微笑みの男性版だ。
穏やかでどこか安心する、それでいて色気をはらんだ微笑み。
その表情に目を奪われた。


「さてと、それじゃいただこうか」


テーブルに運ばれてきたのは、野菜と魚介類がふんだんに盛られた麺料理だった。
大あさり、松茸などの立派な食材が器いっぱいに並んでいる。
見た目のインパクトは大だ。

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