それは危険なラブミッション

「旬野菜たっぷりちゃんぽん風クリーミー麺、だそうだ」

「美味しそうですね」

「馴染みのある料理で中華の神髄を味わっていただこうと、料理長が考案したんだ。どうぞ、食べてみて」

「はい、いただきます」


岬さんが見つめる中、遠慮なく口に運んだ。

口に入れた途端、松茸の香りが鼻の奥まで広がる。
魚介と野菜のバランスが絶妙だった。
中華料理だというのに、脂っこさは全く感じないし、この分だとスープを最後の1滴まで飲み干してしまいそうだ。


「どう?」

「美味しいです」

「何か気になるところは?」

「全然。何もありません。言うことなしです」


こんなに美味しいちゃんぽんは初めて。


「それはよかった。料理長にも伝えておくよ」


岬さんは、安心したように微笑んだのだった。

< 113 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop