それは危険なラブミッション
「当店人気ナンバーワンですよ」
マスターがすかさずアピールすると
「美味しそうだな。それじゃ、莉夏さんと同じものを」
岬さんはメニュー表を閉じた。
「この間は、ありがとうございました。それと、ランチまで……」
私が払うことで決着がついたはずだったのに、いつの間に済ませたのか、お会計は岬さんがしてしまったのだ。
結局私は、岬さんに靴のプレゼントとランチまで御馳走されたのだ。
「お礼の電話をしようと思ったんですが、お仕事の邪魔をしたら悪いと思って」
「莉夏さんからの電話を邪魔だとは思わないよ」
爽やかな笑顔が向けられる。
そう言われて、悪い気はしない。
「……そうだ。こっちを教えてなかったよね」
そう言って岬さんはコースターを裏返し、胸ポケットから取り出したペンで何やら書き留めた。