それは危険なラブミッション

「名刺に書いてあるのは仕事用だから。こっちはプライベート用」


携帯のナンバーだった。


「ありがとうございます」

「莉夏さんの番号は、名刺に書いてあったものでいいのかな?」

「あ、はい」

「それじゃ、これからは遠慮なく連絡させてもらうよ。僕も何となくしづらかったから。初めてって、何でも緊張するよね」

「そうですね」


岬さんとの会話は、どこか心地いい。
私の気持ちを汲んだ上で、気づかって話してくれている気がする。
見た目はもちろん、内面的にも本当に紳士だ。


「はい、お待たせいたしました。超特急で作りました」


夕菜が笑顔と共に、岬さんへふわとろオムライスを置く。


「それと、これは二人に私からプレゼント」


夕菜がカウンターの上を滑らせたのは、何かのチケットだった。

< 125 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop