それは危険なラブミッション
③弱肉強食に憧れる男
RRRRRR……
しつこく鳴り響く携帯の着信音が、私を深い眠りから呼び覚ます。
……こんな朝早くから一体誰――?
ベッドの中でモゾモゾと足を動かしながら、苛立ちを感じつつ毛布の中から手を伸ばして携帯を取る。
重い瞼をなんとかこじ開けたところで、目が点になる。
――ルイ!?
ディスプレイに浮かび上がった名前が、私にある約束を思い出させた。
咄嗟に壁掛け時計に目をやる。
……嘘。
10時――。
恐る恐る指をスライドさせた。
『ようやく出たか』
「……ごめん」
『今、部屋の前だ。チャイムも応答しないから死んでいるのかと思ったぞ』