それは危険なラブミッション

プライベート……。
……プライベートね。

そう言われると、妙に意識してしまう。
頭とは裏腹に鼓動が高鳴る。


「それじゃ、行くぞ」


先に歩き出したルイが車の脇で足を止め、助手席のドアを開けて私を待ち構えた。


「……ありがとう」


ルイにそんなことをされると、なんだか変な気分だ。

乗り込んだ車内は、当然のことながらボディ同様ピカピカに磨き上げられていた。
座り心地はリムジンにも負けていない。
適度なホールド感が、身体の力を抜いてくれた。

ゆっくり走り出した車。
滅多に自分でハンドルを握らないものだと思っていたルイの運転は、予想に反して滑らかで、気遣いの感じられる優しいものだった。
運転には性格が出るとよく聞くから、もう少し荒いものかと思ったけれど、案外紳士的なのだ。

とはいっても、話すことは特にない。
乗り心地は抜群でもどことなく居心地が悪くて、窓の外を流れる景色に目をやる以外にやることはなし。

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