それは危険なラブミッション

ルイの様子を横目で盗み見たものの、この空気を特に気に留めている様子がない。

……もしかしたら、ルイはそういうことを感じない性質?
男女間のことに全く関心がないのかも。
いずれは政略結婚を考えているというくらいなのだから、何しろ仕事が一番なのだ。
それ以外のことに手を掛けるつもりがないということだ。

……でも、今日は平日。
私は休みでも、一般的な会社は仕事だ。
ルイは私と動物園なんて行っていていいんだろうか。


「さっきからチラチラと、一体何だ」

「えっ? あ、えっと……今日、仕事は?」

「出張で休みも取っていなかったんだ。たまの平日休みくらいいいだろう」


この前の北海道か。


「有能な部下がいるからな」

「……なるほど」

「様子が変だな」

「――そ、そう? そんなことないよ」

「いつもの憎まれ口はどうした」

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