それは危険なラブミッション
そこに記載された金額に更なる驚きが襲い掛かった。
心臓に悪い。
悪すぎる。
指先が震える。
「こんな大金、払えませんっ」
つい大きな声になる。
「この店は?」
「……はい?」
「この店を売却すれば、工面できるのでは?」
それが何でもないことのようにサラリと言う。
悪びれる様子は皆無。
涼しい顔で私を見つめた。
「それはできません」
念願のお店を持つことができたというのに、それを手放せと?
それだけは、何があっても絶対に嫌だ。
断固として。