それは危険なラブミッション
「――憎まれ口なんて! 私はいつもおしとやかです」
「そうか。ならいいが」
口元にニヒルな笑みを浮かべた。
ルイがいつもと違うから戸惑っているだなんて、口が裂けても言えない。
気分を紛らわそうと他の話題を必死で探したものの見つからず、どこかぎこちない空気を醸し出したまま、目的地の動物園に着いたのだった。
受付ブースで入園券と引き換え、中へと入る。
人気のある動物園とはいっても、さすがは平日。
混み合うということは全くなく、この分だと、来園者が多すぎて動物が見づらいということもなさそうだ。
数歩先を歩いていたルイに小走りで追いつく。
「動物園、好きなの?」
素朴な疑問を投げかけた。
タダで入れるチケットをもらったとはいっても、動物園の入園料なんてたかが知れている。
期限は間際だし、わざわざ平日に休んで来るところが動物園とは、ちょっとルイとは結びつかない。