それは危険なラブミッション

「冗談だってば。ルイの近くにいるわけがないじゃない」

『――何だと!?』

「ルイって、意外と騙されやすいのね」

『俺を騙そうとする人間なんて、そうそういないからな。勝てる要素はないと判断するんだろう』


どこまで自信家なのか。
ここまでくると、逆に可愛いとすら思ってしまう。


「今日はどうもありがとう。動物園、予想外に楽しかった」

『予想外は余計だ。俺と一緒なのだから、楽しくないわけがない』


まただ。
ほんと、子供みたい。


「そうね、その通りね」

『……なんだ、バカにしてるのか?』

「してないってば。本当に楽しかった。それと、“最後の晩餐”もごちそうさまでした」


帰る間際に支払ってくれたらしい。
仕事だと言って急いで出て行ったはずなのに、ルイのスマートな行動には、時々驚かされる。

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