それは危険なラブミッション
「……このあたりは雨雲で覆われていますね」
少し広域にしてみても、雨雲はびっしり。
隙間なく、あちらこちらで雨が降っているようだった。
「少し遠くても構わないから、雲の隙間を探してみてもらってもいい?」
「はい」
車で行ける距離にそんなものを見つけられるんだろうか。
疑心暗鬼で言われるままに指をスライドしていくと――……
「あっ……ありました」
雨雲が途切れた場所をやっとの思いで見つけた。
「どのあたり?」
「えっとですね……ここから南の方角です。ちょっと遠いかもしれません」
「ちょっと見せて」
岬さんは路肩に車を停めると、運転席から私の携帯を覗き込んだ。