それは危険なラブミッション

「……わざわざそんなことのために?」


あとでちゃんと報告すると伝えたはずだけど……?
今ここで確認しなくてもいいのに。


『……悪いか』

「二人の邪魔をしたら悪いとか思ったりはしないの?」


私に岬さんを誘惑するように指令を出しておいて、それはないと思う。
いくら状況が気になるからとはいって、普通は電話なんてしてこないだろうに。
と思ったところで、ルイには“普通”が通じないのだと思い直した。


『……邪魔だったのか』

「邪魔、というわけじゃないけど……」


ルイにしてはシュンとした声で呟くものだから、強気を続けていられなくなった。
一体なんだというのだ。


『それならいいじゃないか』


私が下手に出たせいで、ルイは一気に通常モードに切り替わった。
立ち直りが早すぎる。
姿は見えなくても、手に取るように伝わってきた。

< 185 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop