それは危険なラブミッション
私がルイに惹かれるなんてこと……あるわけがない。
「……そう?」
岬さんは小首を傾げて私の顔を覗き込んだ。
「はい……」
それは絶対に……ない。
ルイは、借金に絡む契約を結んだだけの相手。
ルイにとっての私も、また同じ。
私のことは恋愛対象として眼中にないのだから。
それは、岬さんの気を引くように命じたことでも明白。
そんなことを考える胸の奥は、なぜかチクチクと痛んだ。
「そろそろ食べようか」
岬さんの一言に我に返る。
岬さんは行儀よく正座をして、お弁当を膝の上に持ち上げた。
今の今まで話していたことは忘れてしまったような明るい顔。
岬さんの意図が読みきれなくて、胸にはモヤモヤが残った。