それは危険なラブミッション
②二つに一つの無茶な選択
それは、私の人生史上、最悪な目覚めだった。
夕べ突きつけられた、理不尽とも思える借金の肩代わりのことを考え出したら、明け方まで眠れなかった私。
答えを見い出せないまま襲ってきた睡魔にウトウトし始めると、今度はカーテンの隙間から射し込む太陽が容赦なく瞼を照らす。
普段なら、そんなものに屈することなく眠りにつけるというのに、今朝ばかりはダメだった。
いくら目をギュッと閉じても、毛布を被って光を遮っても、一向に眠れない。
チラつくのは、あの東城寺ルイという男の顔。
いい加減にしてとばかりに枕を壁にぶつけてみたところで、不敵な笑みは消えなかったのだった。
眠ることを潔く諦め、熱いシャワーを頭から浴びる。
これまた熱いコーヒーで喉を潤す。
そうして出掛けるまでの時間、何をするわけでもなく過ごし、店に到着してみれば、先に着いていた麻緒ちゃんに「一体どうしたんですか!?」と目を見開かれた。
「……どうしたって何が?」
何に対して驚いているのか皆目分からず、麻緒ちゃんをただ見つめるばかりの私。