それは危険なラブミッション

「……莉夏は、岬の結婚を破談にしたら、そのあとはどう考えてる？」

「……え？　どうって……？」


さっきはタイミングよく逃れられたものの、今度ばかりは邪魔に入られる要素は皆無。
触れられたくない話題になったことで、別の緊張にさらされた。


「……そのまま岬と付き合うとか」

「そ、そうね。それもいいかもしれない」


そもそも、その作戦は失敗に終わっているというのに。
軽い受け答えに逃げた。

でも、どうしてルイはそんなことを聞くんだろうか。
ルイにとっては、破談にさえ出来ればいいことだというのに。
いっぺんにいろんなことを考えなくてはならなくて、頭の中が複雑に絡まり合う。
何から処理していったらいいのかすら分からない。


「現段階で何割くらい進んでる？」


もうとっくにゲームオーバーだ。
一言そう言えばいいのに、言えない私。
複雑な想いの理由を見い出せなくて、胸が苦しくなる。


「……5割くらい、かな……」


適当に答えることで、再び逃げた。

本当に私、何してるんだろう。
何度問いかけてみても、モヤモヤが募るばかりだった。