それは危険なラブミッション
「ウォーターヒヤシンス? そんな植物があるのか。それは一つずつ手作りで?」
「ハイ ソウネ」
そばにいた現地スタッフに話しかけ始める。
この人の言動は、全く予想がつかない。
妙な提案を持ちかけたと思ったら、店の家具を買い占め。
そうかと思えば、バリ島へフラリと来てしまうというのだから。
ちょっと近所へおつかいというわけにはいかない場所なのに。
「彼氏?」
「――違いますよ」
ルイを指さして私に尋ねる羽生さんに、右手を大きく振って否定。
「友達?」
「……えっと、」
友達かと問われると、ちょっと違うような気がする。
単なる知り合いという程度でもないような……。
二人の関係にぴったりの名前を見つけられずに押し黙る。