それは危険なラブミッション
「それじゃ、家具を見ているようだし、彼のことは放っておいて一緒にメシでも行こうか」
「え、あ、はい……」
羽生さんの誘いはいつものこと。
妙な下心があるというわけじゃない。
ここへ来ると、食事を御馳走してくれるのは常なのだけれど、ルイを放って行くのは……。
「行こう」
羽生さんが右手を上げて出入口を指さす。
どうしようかと二人を交互に見ていると、先を歩きかけた羽生さんが私の元へ戻ってきた。
「ほら、行くよ、莉夏ちゃん」
肩に置かれた手が私の足を進める。
おずおずと歩き出したところで、手首が掴まれた。
「どこへ行く」
私を制止するルイの手。
どこか憮然とした顔に、ドキリと鼓動が弾む。