それは危険なラブミッション
「あのね、」
「彼氏でも友達でもないと莉夏ちゃんが言うんでね。いつものように二人で食事をしに行くところだ」
私を遮った羽生さん。
その言葉にルイが鋭い視線で私を見下ろすから、羽生さんの言葉を否定することも肯定することもできない。
何に対する不満顔だろう。
ルイを置いて行こうとしたこと?
それとも、彼氏でも友達でもないと答えたこと?
分からないずくしでルイの出方を待った。
「大変申し訳ないが、」
言いながら、唐突にルイが私を引き寄せる。
「今夜は予約を取っているから、莉夏を連れて行かれるわけにはいかない」
「え?」
目を見開いてルイを見上げた。
予約……?
レストランでも予約したんだろうか。
羽生さんは目くじらを立てるわけでもなく、一瞬キョトンとしてから表情を崩した。