それは危険なラブミッション
「それなら、莉夏ちゃんが選ぶといいよ。彼と一緒に行くというのなら、俺はそれでいいし」
二人の目が揃って私に注がれる。
この状況をどこか面白がっている羽生さんと、不満顔のルイ。
対象的な二人を前にして、妙なことになってしまった。
羽生さんは大事な取引相手。
ルイは……
「迷う必要はないだろう」
いつまでも迷っていると、ルイが強引に私の手を取る。
弾みで、ルイの胸にトンと肩がぶつかり、抱き寄せられるような格好になってしまった。
なぜかカーッと熱くなる頬。
それを隠したくて顔を伏せる。
「それでいいのかな? 莉夏ちゃん」
羽生さんに聞かれてルイをチラリと見やると、NOとはとても言えそうにない顔だった。
「……はい」