それは危険なラブミッション
「……どこに行くの? 予約って? と、その前に、どうしてルイがここにいるの? 何しに来たの?」
「そんなにまくし立てなくてもいいだろう」
「だって、ここ、バリ島よ?」
いつもルイがお店にひょっこり来るように来られるようなところじゃない。
空港まで1時間、そこから飛行機で7時間もかかるのだから。
「なかなかいいところだな」
「感想を聞きたいわけじゃないの」
適当にはぐらかすつもりのルイを強く見つめると、さすがに根負けしたのか、ルイも真面目顔になった。
「ホテルの視察だ」
「……ホテルの……視察? そのために来たの?」
「そういうことになる」
それじゃ、ここで私と会ったのは、たまたま予定が重なったというだけのことだ。
……どうしてだろう。
ガッカリしている私がいた。