それは危険なラブミッション
飛び散る水しぶき。
水面に浮かんでいた月が蹴散らされる。
一瞬姿を消したルイは、すぐに水面から顔を出した。
頭から流れる水を両手でかき上げる。
「……急にどうしたの?」
頭を冷やすだなんて。
プールサイドに駆け寄り、その場にしゃがみ込んだ。
「気持ちがいいぞ。莉夏も入れ」
「お酒飲んだあとにプールは危険よ」
「いいから来い」
――え!?
「キャッ!」
突然伸びてきたルイの手が、私の腕を身体ごとさらっていく。
ルイのときよりも大きな音と水しぶきを上げて、私はプールの中へと飛び込んだ――……いや、無様に引きずり込まれたのだった。
「――な、何するのよ!」