それは危険なラブミッション

自分で巻き起こした波で、身体はもちろんのこと髪の毛からびしょ濡れ。
そんな私を見ても、ルイは涼しい顔をするばかり。
悪いとは全く思ってないと見える。


「気持ちいいだろ?」

「……その逆」


上半身だけとはいえ、ルイは裸になったから身軽かもしれないけれど、私は水の中で洋服が張り付いて気持ち悪い。
昼間のうちに太陽の光で熱せられた水は、外気温より温かく感じた。


「まぁ怒るな」

「怒るよ」


そう答えた私の頬をルイがつねる。


「――痛っ」


本当にもう!
重ね重ね、一体何だというのか。

やり返そうと伸ばした手が空を切る。
ルイはニヤリと笑みを浮かべると、月の浮かんだ青い水面を目指して泳ぎ始めた。


「ちょっと待ちなさいよ」


そう言ったところで待つルイではない。

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