それは危険なラブミッション

◇◇◇

私のキャリーバッグを左手に、自分のキャリーバッグを右手に、到着ゲートへ向かうルイの2,3メートル後をついて行く。

ルイの肩にもたれて、着陸までの7時間をほぼ眠って過ごした私。
機内サービスを一つも受け取らないまま、ルイの「着いたぞ」という声で目覚めたのだった。

瞬間、どうしてルイがいるの!? と戸惑うほどに寝入るとは。
未だに頭はクリアになっていなかった。

軽い足取りで歩いていたルイが、ふと足を止める。
私のことを待ってくれたんだろうかという推測が大きな勘違いだと気付くまで、そう時間はかからなかった。


「二人、一緒だったんだね」


待ち構えるように立っていた人物を前にして、私もルイの半歩後ろで足を止める。
顔を合わせるのは気まずい人、あの岬さんだったのだ。

岬さんが、ルイに鋭い視線をぶつける。
それは、今まで見せたことのないような強い眼差しだった。

以前、木漏れ日に来たときのように今回もまた、お店で達哉くんや麻緒ちゃんから聞いてここへ来たのだろう。

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