それは危険なラブミッション

「岬碧衣じきじきに、出迎えてくれるとは思いもしなかったよ」


岬さんの視線に負けない、ルイの出方。


「まさか二人でいるとは、さすがに想定外だったよ。でも手間が省けたことに感謝するよ。東城寺ルイ、」


岬さんがルイに一歩近づく。
何を言うんだろうかと、私まで身構える。


「鳥居さやかさんとの縁談は取りやめた」


――えっ!?
岬さんの顔をまじまじと見つめる。

斜め後ろからでも、ルイの驚きは手に取るように見えた。


「いろいろ調べさせてもらったんだ。莉夏さんの東城寺ホテルからの借金は、これで帳消しのはず。合ってるよね?」


岬さんがルイに確認する。
ルイは頷きもしなければ、首を横にも振らない。

今、何を思っているのかも分からなかった。


「莉夏さんは、これでキミからは自由の身になる」

< 250 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop