それは危険なラブミッション
「岬碧衣じきじきに、出迎えてくれるとは思いもしなかったよ」
岬さんの視線に負けない、ルイの出方。
「まさか二人でいるとは、さすがに想定外だったよ。でも手間が省けたことに感謝するよ。東城寺ルイ、」
岬さんがルイに一歩近づく。
何を言うんだろうかと、私まで身構える。
「鳥居さやかさんとの縁談は取りやめた」
――えっ!?
岬さんの顔をまじまじと見つめる。
斜め後ろからでも、ルイの驚きは手に取るように見えた。
「いろいろ調べさせてもらったんだ。莉夏さんの東城寺ホテルからの借金は、これで帳消しのはず。合ってるよね?」
岬さんがルイに確認する。
ルイは頷きもしなければ、首を横にも振らない。
今、何を思っているのかも分からなかった。
「莉夏さんは、これでキミからは自由の身になる」