それは危険なラブミッション

「それで、どうしたんだ」

「えっと……」


ここまで押しかけておきながら、何の言葉も用意できていない。
我ながら情けない三十路女だ。


「何だか様子がおかしいぞ。まぁ、莉夏はいつも変か」

「――し、失礼ね!」


そうだ。
お礼だ、お礼。
バッグを漁り、西さんから受け取ったハンカチの包みを取り出す。


「これ……」


ルイが「何だ?」という顔をする。


「ハンカチ。わざわざ新品なんてよかったのに」

「莉夏のことだ。替えのハンカチを持っているとは思えない」


随分と不躾だ。
確かにその通りなのだけれど。

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