それは危険なラブミッション
「それにしても面倒なものだな」
「……何が?」
「口に出さなければ分からないとは」
「分かるわけがないじゃない」
特にルイは飄々としていて、さっぱりつかめない。
「いい大人の男と女なら、“さぁ、付き合いましょう”という号令など必要ないだろう? 気付けばいつの間にかというものだ」
「そんなあやふやじゃ嫌なの」
「ほぉ。莉夏は白黒はっきりつけたい性質か」
「そういうわけじゃないけど……。空港で待ち構えていた岬さんにだって、何も言い返さなかったし」
ルイの目の前で告白まがいのことを私がされていたというのに。
あんなシーンを見ても我関せず。
“莉夏なら、どうぞお好きなように”という様子だったからこそ、余計に分からなくて混乱していたのだ。
「岬がいくら騒ぎ立てたところで、莉夏の気持ちが俺に向いている以上、どうにかなるものでもないだろう」