それは危険なラブミッション
「…………」
自信たっぷりの言い方に何も言い返せない。
「それとも、岬に気持ちがなびいたか?」
「――っ、それはないけど」
「なら問題はない」
思わず元気よく“うん”と頷きそうになる。
そのくらいサラッと問題解決されて、肩すかしをされたようだった。
「すっかり冷めたな」
コーヒーに口を付けたルイが言う。
「それじゃ、私が淹れ直してくる」
「いや、莉夏は座ってろ」
カップに伸ばした手をルイに遮られた。
ちょっと手が触れただけだというのに、大袈裟なほどにサッと手を引く。
「……ごめん」
妙に意識してしまってダメだ。
さっきまでの気安い空気が一変したようで、平静を保とうとすればするほど胸は高鳴るばかり。