それは危険なラブミッション
言うより早く、唇が触れ合った。
一度そうしてしまえば、恥ずかしさも緊張も甘い痺れに変わっていく。
ルイに触れられて、私もこうしたかったんだと改めて気づかされた。
車の運転同様、キスにも性格が出るのかもしれない。
自分を押し付けるのじゃなく、私の動きを確かめながらゆっくり繊細に繰り返される優しい口づけは、夢見心地にふわふわと浮かんでいるようにすら感じた。
このままずっと、こうしていたい。
そう思ったところで
キュルルルル――……。
ムードをぶち壊す音が鳴り響いた。
犯人は、私のお腹だ。
夜ご飯を抜きにして、ルイのマンションの前で待っていたが故のお腹の虫。
これほどの近距離。
私に聞こえたということは、当然ルイにも聞こえていたはず。
「……ごめん、なさい……」
恥ずかしさに俯く。
こんなときに鳴くお腹の恨めしいこと。
せっかくのいい雰囲気が台無しだ。
ところが、ルイは「ぷっ」と笑い飛ばした。
「莉夏らしいというか、何というか」