それは危険なラブミッション
「心配してくれたことに対して」
「心配? 女性としての心構えを言ったまでのことだ」
ルイはそう言うけれど、それが優しさからだと知ってるから。
自分第一主義のような口ぶりで話すけれど、本当は違うと知ってしまったから。
だから、こんなにもルイが愛しいんだ。
「私、何か作ろうか?」
「何か?」
「ルイの口に合うものが作れるかどうかの保証はないけれど」
「莉夏の手料理か、悪くないな。岬に先を越されたことが口惜しいが」
「あまり期待はしないでよ?」
「いや、期待して待っていよう」
……勘弁してほしい。
いきなりハードルが上がってしまった。
「冷蔵庫の中身は好きなように使ってくれて構わない」
「うん、ありがとう」
ルイの盛大なる声援に見送られ、キッチンへと向かった。