それは危険なラブミッション

『……何が可笑しい』

「ううん、別に」

『あんな時間にどうやって帰ったんだ』

「ちゃんとタクシーを呼んだから、心配しなくて大丈夫」

『俺が送ると言っておいただろう』

「だから、よく眠ってたからって……」


これじゃ、堂々巡りだ。
素直に謝ってしまおう。


「ごめんなさい」

『分かればいい。おかげで、莉夏の手料理の出来立てを逃したじゃないか』

「……食べた、の?」

『当たり前だ。なかなか旨かったぞ』

「本当に?」

『ああ。最後の晩餐の候補に加えてやってもいい』


また出た、上から目線。


「……一言余計よ」


そう言ったところで、ルイには全く効かないのだった。

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