それは危険なラブミッション

「はい、そうです。ルイさんの後をいつも追いかけ回していました」

「……あの、さーちゃん?」


ルイの声がパッと明るくなる。

以前、見せてもらった書類には確か、鳥居さんは27歳と書かれていた。
32歳のルイとは5歳違い。

ルイが東城寺の家に引き取られたのは、高校生のときだったと岬さんは言っていた。
ということは、その頃、鳥居さんはまだ小学生くらいだ。
ルイがすぐに気づかなくて当然かもしれない。


「鳥居の家に入ったのか」

「そうなんです。ルイさんがあの園を去って3年ほど経った頃でした」

「驚いたよ。あんまり綺麗になったから、全然分からなかった」


鳥居さんは恥ずかしそうに微笑むと、頬を赤く染めた。
二人の間に、私には入り込めない空気が取り巻いていた。

おつまみ程度の軽食が運ばれてきてからも、昔話に花を咲かせる二人。
当然のことながら、私には口を出すことも、その話に入ることもできない。
まるで、ここには岬さんも私も最初から存在していないようだった。

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