それは危険なラブミッション
③襲い掛かる不安を拭って
タクシーを飛ばしてルイのマンションへと向かう。
そして、エントランスに設置してあるインターフォンに手を伸ばそうとした時だった。
開いた自動ドアから慌てた様子で出てきたルイと鉢合わせて、お互いに目を見開いた。
「どうしてここにいる」
いつになく強い口調。
「どうしてって……?」
言っている意味が分からない。
「携帯は?」
携帯って、ルイ専用の……?
バッグを漁る。
――え?
「……ない」
さっきバッグを落としたときに携帯が中から飛び出したのかもしれない。
だとすると、ケープホテルの部屋に置き去りだ。
「岬と一緒だったのか」