それは危険なラブミッション
④将来を脅かす敵とみなされた日
『莉夏を親族に紹介するから、時間を取ってくれ』
そんなことをルイが言って来たのは、ルイと朝を迎えた日から1週間が経過した頃だった。
いつもの木漏れ日で、珍しくドリアを食べようかとスプーンを持ったところで、ルイからの連絡が入ったのだ。
ルイ専用携帯は、岬さんのところに置き忘れたまま。
二人きりで会うなと忠告をされている手前、勝手に取りに行くわけにはいかない。
まだ仕事中らしいルイは、慌ただしく電話を切った。
「どうしたんだよ、莉夏ちゃん。やっぱりオムライスが良かったかい?」
スプーンを持ったままボンヤリしている私に気付いたマスターが、カウンターの向こうから顔を覗かせる。
「あ、ううん。今日はこれでいいの」
「そうよねぇ、いくら好きだからって、たまには違うものを食べたくなるわよね」
下げてきた食器を抱えた夕菜は、私の脇を通りながら軽くウインクをよこした。