それは危険なラブミッション
「ルイらしい」
「……それはどういう意味だ」
眉を潜めてルイが面白くなさそうな顔をする。
「いい意味で」
「いい意味とは、どんな意味だ」
大真面目に聞いてくるから面白い。
おかげで緊張が少し解れた気がする。
「ありがと、ルイ」
「なんのことだ」
「ルイは分からなくていいの」
「変なヤツだ」
フンと鼻を鳴らしてルイが笑った。
そして、大きな扉の前で足をピタリと止める。
レストランではなく、広間をわざわざ用意するということは、それなりの人数が来ているということだ。
亡くなったというルイの養父の兄弟や姉妹、そうそうたる面子を想像して足がすくみそうになった。