それは危険なラブミッション

「……鳥居さんと二人で会ったでしょ?」


ルイは目を見張った。

私は怒ってなんかいない。
でも今は、ルイを責める口実にするしかなかった。


「……どうしてそのことを?」

「鳥居さんに迫られて、関係を――」

「違う。彼女とは何もない」

「裸で迫られたりしたら、誰だって――」

「ない。あるわけがない」


必死に否定するルイに胸が痛くなる。
こんなことを言って傷つけたりなんてしたくなかった。


「機嫌を直せ」


私が拗ねているだけだとまだ思っているルイは、困惑を滲ませた優しい顔をして私の髪を撫でた。

その手を取って頷いてしまいたくなる気持ちを必死に抑える。
ルイを退かせるには、もうこれしかない。

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